ネットが普及し、何が真実か、何が本当の情報なのか非常にわかりにくくなっている世の中。

ただ、そのほとんどはどーでもいいもの。平野綾がどうだとか、フジテレビがどうだとか、どーでもいい気がする。
それでもその当事者が嫌なら見るななんて言ってしまっては何も成立しなくなっちゃうけどね。

自分に直接関係ないことをどーでもいいと言ってしまうと、すげーつまらない、そして成長のないことになってしまうけど、まあどーでもいい。

とはいいつつ、何が自分に直接関係ないかなんて誰にもわからないはずで、また、間接的にはほぼ全てのことが何らかの形で関係しているのも事実。一番わかりやすいのは経済かな。

つーわけで『世界経済を破綻させる23の嘘』を読んだ。
世界経済を破綻させる23の嘘世界経済を破綻させる23の嘘
ハジュン・チャン 田村 源二

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専門化が支持する理論に疑問を投げかけ、経済学のプロのほとんどが受け入れている経験的事実を疑え・・・という本。
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すごく読みやすい本です。経済に疎い僕もすっと読み進めていけました。
ただ、これって本当に現代の通説なの?というもの、また通説が嘘だと言えるの?というものが多々あったように思いました。
例えば、第4の嘘『インターネットは世界を根本的に変えた』ですが、
インターネット革命は(少なくとも今のところ)、洗濯機をはじめとする家電製品が起こしたほど大きな経済的・社会的変化をもたらしていない。(P59)
言われてみれば、洗濯機とかすごいなーとは思うのですが、なぜ世界を根本的に変えたという話をする時に比較で嘘ということになるのだろう。
第13の嘘『富者をさらに富ませれば他の者たちも潤う』というのも、今こんなこと思う人いるのかな、と思ってしまいました。
面白かったのは、第17の嘘『教育こそが繁栄の鍵だ』の章。
教育の向上が国の繁栄に直接結びつくことを示す証拠はほとんどない。(P242)
そもそも、生産性の向上とは無縁といって良い教育さえある。・・・・・たとえば、文学、歴史、哲学、音楽。純粋に経済的な観点から見ると、こうした科目を教えるのは時間のむだである。・・・・・それに、生産性向上に重要と考えられている数学や理科といった科目さえ、大半の勤労者の仕事には関係ないものだ。(P247)

教育って国家繁栄のためには必要なものだと思っていました。ただ、これもこの章を読んで、これは嘘だったのか!!とはなりませんでしたが。
いわゆる経済の通説をしっているくらいの人におすすめです。

以下本書より―
第1の嘘 市場は自由でないといけない

第9の嘘 世界は脱工業化時代に突入した
だが真実は―脱工業化時代は神話であり幻想でしかない。
国内総生産に占める製造業の比率の現象のほとんどは、製造品の絶対量の減少のせいではなく、サービスと比較して製造品の価格が安くなったためである。(P131)

第13の嘘 富者をさらに富ませれば他の者たちも潤う
このいわゆるトリクルダウン理論(富者が富めば貧者にも富が自然としたたりおちるという経済理論は)は、最初のハードルさえ跳び越えられない。(P189)

第20の嘘今や努力すれば誰でも成功できる
機会均等だからフェアとはかぎらない
ある程度の結果均等がないと、(たとえば、子供が飢えないように世帯所得を一定水準以上にする)、機会均等(授業料無料)もあまり意味をなさない。(P282)
世界経済を破綻させる23の嘘
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