ネットが普及し、自分が求めている情報を手に入れるのは本当に楽になった。

ただ、それに伴い興味のないことに触れる機会が激減しているように感じる。

だから興味の幅が広がっていかない。

今まで意識していなかった事象に触れられる、その意味でも雑誌の価値は衰えていないように感じる。

つーわけで『クーリエ・ジャポン12月号』を読んだ。
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 12月号 [雑誌]COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 12月号 [雑誌]

講談社 2011-10-25
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特集は”不安な時代”のための特別講義「新しい経済学」へようこそ。

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■WHOは年間134万人が大気汚染により命を落としていると報告

■アンジェリーナ・ジョリーと昼食を
インタビューまでかっこいいです。

彼女の趣味はナイフの蒐集。そのうえタトゥーも多い。(P19)

■世界的な不況から脱却するためにはどんな方法があるのでしょうか?
『世界経済を破綻させる23の嘘』のハジュン・チャンが答えています。資源に限りがある地球で継続的な成長は不可能だ、とのこと。確かに。

ノーベル経済学賞を受賞した経済学者ロナルド・コースがこんな発言をしています。「経済の疑問はデータを充分に締め上げれば、やがて白状することになっている」
これは現在の経済学の特徴をうまく表現しています。いまの経済学の世界では、そこそこ賢くて数学ができれば、基本的にどんな理論でも正当化できてしまうのです。(P24)

私は国民の所得が年間平均2万5000ドルほどの国では、それ以上の大きな経済成長は必要ではないと考えています。(P25)

■「幸福度」が高い人生を贈るためには何が必要なのでしょうか?
人には「経験する自己」と「記憶する自己」がいるという話は興味深かったです。二人の自分は幸せの感じ方も全く違うとのこと。

記憶する自己が人生を振り返って見つめる焦点は、ごく恣意的なものです。何かの拍子に、焦点が別に当たれば、物語も別物になってしまう。つまり、「焦点を絞ることによる錯覚」が起きるのです。(P33)

結局幸福なんてあいまいでどうにでもなるってことでしょうか。年収の600万円を超えると、幸福度は収入に比例しないということも載っていました。

■「子育て」はコストに見合う幸福をもたらしてくれるのでしょうか?
幸福度と出費を計算すれば、現代の「親子ゲーム」で損をしない唯一の方法はゲームに参加しないこと、つまり子供を作らないことだ、と多くの人が考えているようです。(P34)

面白かった。幸福度は下がるけれど、満足度が上がるという話、そして子育てが子の人生に与える影響は意外なほど少ないという話。行動遺伝学では子供の平均寿命や身長、体重、歯の健康、道徳観等ほとんど子育てと影響しないらしいです。子育てに金をかける必要はなさそうです。。

■ハーバード大教授も推薦!誰でも痩せる「ジム・パクト」
ジム・パクトの料金は、ジムに通えば通うほど安くすむ。逆に、ジムをサボるほど高くつくのだ。(P41)

■「エロティック・キャピタル」で”美しく成功”を手に入れよう
名門ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教鞭を執るハキムは「エロティック・キャピタル」と呼ばれる、人に備わる資本について述べている。その要素は6つの要素から成り立つという。外見的な「美しさ」、男らしさや女らしさといった性的な「魅力」、愛嬌のある「社交術」、肉体的な「活力」、社会性のある「お洒落術」、そしてセクシャルな「精力」の6つだ。(P41)

■ギリシャ危機はそもそも何が問題なのですか?
脱税額は年間300億ドルにも上ります。だから、きちんと税金を回収すれば、財政は黒字化するのです。(P45)

■世界初の「脂肪税」導入で本当に健康になれるのか?
デンマークで導入された動物性脂肪を含む製品に課税する「脂肪税」の話。政府は他国に比べ平均寿命が短いから課税と主張しているが、肥満率は他国より低いのだから結局、税収アップのためでしょってこと。
海外追従の日本も導入されるかもしれませんね。まあそれなら消費税上げたほうがすっきりしますが。

■モード界を駆け上がるモザンビークの新星
タイボ・バカールを紹介。ゲイだと公表をさらっとするのすごいなと思ってしまう俺の感覚は古いな。

■「ハクティビズム」ってご存知ですか?
コンピュータハッキングと政治的行動主義を組み合わせた造語。ハッカーおそるべし。