売上が下降傾向、経常利益確保のため、経費削減が叫ばれる昨今。

経費削減での重要項目の一つ、人件費。

社員を減らし、アルバイトを増やしていくのもその一つ。

企業が生き残っていくためには仕方がないかもしれない。アルバイトが社員同様に責任感を持って働いているっていうのは大事だとは思うけれど、結局経営者視点では「ソルジャーゲット♪」(なんかの映画のオチにあったやつ)ってなってるんだろうなあと思うと、ちょっとな〜という気がしないでもない。

つーわけで「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」を読んだ。
9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方
福島 文二郎

中経出版 2010-11-25
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人を大事にする東京ディズニーランドの人材教育法を教えよう・・・という本。

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著者は過去株式会社オリエンタルランドに勤務していた福島 文二郎氏。
多くの客が驚嘆するような高いクオリティを維持している東京ディズニーランドの人材育成法を著した本書。

本書の柱は
人は経験・教育で変わるし、成長する!
というものです。
大好きですこういう考え方。正しいか否かではなくて、ダメなら取り替えろとか、言っても無駄だという発想はすごく残念に思います。

リッツカールトンとの比較が載っていました。リッツカールトンは徹底した選抜でいわゆる素質重視だけれど、ディズニーランドは誰でもウエルカムで基本的に応募してきた人を採用してその後に教育するということだそうです。
リーダーは思いやりを持って、人を育てることに喜びを感じる人になる、そう思える人が増えるような環境を整える、褒めることと叱ることを使い分けることが大事。
一見当たり前のことで、過去にもこれを著している書籍は多々ありそうなものですが、これを徹底するのは非常に難しく、それを実践し評価されているのが東京ディズニーランド。素直にすごいとそして実践したいと思えます。

ただ、すごいし参考になるのですが、どうしてもいいように使われてる人が多いんだよな、と思ってしまったりもします。
先輩アルバイトが後輩アルバイトを指導教育するというっていうのも、アルバイトがアルバイトを褒める仕組みがあるというのもいいとは思うんですが、なんだろうどこか経営者側の都合の良さを考えてしまいます。終盤に誇りを持って働いているキャストの事例が載っていたりするのですが、すれた僕としては少し正面きって納得できないところがあるんですよね。

もちろん本書の内容はバイトを育てるだけではなくて、初めて部下社員を持った人も参考になるものだとは思います。

他に気になったのは報酬のこと。思いやりだけでは、アルバイトをつなぎとめるのは難しいのではないかなと思ってみたり・・。ディズニーランドなら給料は関係ないのかなあ。

普段ビジネス書を読まない部下を持つ人にオススメです。


以下本書より―
社員一人ひとりが、リーダーシップをもっているから誰も手を抜かない。

ディズニーには「人は経験で変わる・育つ」という考え方があります。(P24)

後輩に「いつも見てくれている」と意識させる
後輩が気づくように、堂々と「見る」ことがポイント(P98)

ディズニーランドでは、年に一度、「アルバイト感謝デー」が開かれます。アルバイト感謝デーとは、パークにアルバイトをゲストとして呼んで、おもてなしをする日のことです。だれがおもてなしをするかというと、正社員です。(P169)