最近、取ってみようかなという資格があって、いわゆるお勉強とやらをやってみた。

そこそこの暗記と計算が必要なのだが、始めてみて驚愕した。
全く覚えられないし計算もとにかく遅い。こんなはずじゃなかった感が半端ない。

考えてみたら、覚えるという行為を大学を卒業してから6年間で一度もやっていない。
そんなに記憶力が悪いほうではなかったはずなのに・・・と思いながら勉強を進めているが、
ここいらで少し勉強術を学んでみてもいいかもしれない。

そう思って読んだのが、『合格る思考』だったわけで、それきっかけで宇都出雅巳氏の本を通しで読んでみようかなとなった。

つーわけで『速読勉強術』を読んだ。
速読勉強術
速読勉強術宇都出 雅巳

すばる舎 2007-01-15
売り上げランキング : 57747


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

宇都出氏の今のウリ?である勉強法、高速大量回転法を中心に教えよう・・・という本。



勉強_4

著者は?

宇都出雅巳
東京大学経済学部・ニューヨーク大学スターンスクール卒業(MBA)。経済出版社、システムコンサルティング系銀行(マーケティング)を経て、2002年に独立。現在、信頼(トラスト)と尊敬(レスペクト)をベースにした組織・社会の実現を目指すトレスペクト経営教育研究所代表。
コーチ養成機関・CTIジャパンリーダー、NLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナー・コーアクティブコーチング資格コース修了・CPCC(公認コーアクティブ・コーチ)など多数の肩書をもつかたわらオールアバウト「コーチング・マネジメント」ガイドを務める。
(本書著者紹介)

ホームページ
ブログ
Twitter
All About
amazon著者ページ
著者ページでは本書は文庫化されているものが紹介されていますが、訳書を除き実質3冊目になります。
今の著者のブログ名が『だれでもできる!速読勉強術』というものからも、著者が本当に売りたいのはこの勉強術だったのか、本書が評判になったので、これで食っていくことに決めたのかでしょう。


速読勉強術とは

「速く読むから理解できる」「一回目よりも二回目のほうが速く読める」という原則のもと著者がまとめたのが速読勉強術の核、高速大量回転法。
高速大量回転法をすごく簡潔に言うと、わからなくてもなんでもとにかくテキスト等を回数読む、というものです。
速読勉強術という名称ですが、いわゆる速読ができる、できないの話ではなく、同じ本を何度も読むことにより、誰でも早く読めるようになるということです。
「速く読むから理解できる」「一回目より二回目のほうが速く読める」それぞれは当たり前のことですが、ゆっくり覚えながら読みすすめようとしていくと、結局読み終わった頃には前半を全く覚えていないというのはよくあることです。著者はそれを忘却との戦いだとしており、それに打ち勝つには、なるべく早いスパンで回数読むという結論になります。
同じ本を何回も読む。このことが、速読できる・できないにかかわらず、速く読むことを可能にしてくれます。(P70)


どうやって速く読むか

・わからなくてもそのまま受け入れてとにかく進む
「速く読む」ためには、「わからないこと」に引きずられないことが大事です。(P27)
わからなくてもとにかく読みすすめることが大事だということです。確かに、資格検定でも2級でわからないことがあっても1級の勉強をすると意外とさらっとわかってしまったりすることがあったり、別の日に読んだらなぜわからなかったのかがわからなくなるようなほど理解できることがありますね。
はじめのうちから完璧に理解しようなどと思わずに、「そのうちわかってくるさ」というくらいの気楽な気持ちで、どんどん読みすすめてください。(P146)

・タイトル法、まえがきあとがき法、目次法、見出し法
これらがなかなか斬新で、
タイトル法はタイトルが見えるように積読し、一日に何回何十回もタイトルが見えるようにしておく
まえがきあとがき法はまえがき&あとがきを毎日読む
目次法は目次に何度も目を通す
見出し法は見出しだけに絞って何度も目を通す
というもので、特に本を読むのが苦手な人対象の方法として挙げられているのですが、読む対象を絞ってとにかくその対象に慣れるということを重視しているようです。これは1冊読み通す高速大量回転法も基本一緒で、わからなくてもとにかく接していればわかることがあるし、覚えてしまうというモノなようです。


高速大量回転法で注意、意識すること

・回転する対象を徹底的に絞り込む
試験は満点でなくてもいいので、新しいことに手を広げず、範囲を絞り込むことがトコトン大事だとしています。
著者は選択問題中心の資格試験なら、回転させる対象を過去問題集のみに絞り込むということです。
合格点をとるためには、過去問を回転させるだけで充分だと考えています。(P95)

また、著者は対象を絞り込むことで、勉強する教材を探したり、どれを読むかに迷ったりすることがなくなり、隙間時間を有効に使え、実質勉強時間を増やすことが出来る効用も説いています。

・認識する時間を速める
問題に解答を書き写す際に大きく太い文字で書く、覚えたところはマジックで大きくバツをつけるなど、大きな文字で書き込み、認識する時間を速め、高速大量回転させます。

・最初は一日一回転を意識する
粗い回転でもいいので、必ず1日一回転は行う。
私の経験からいくと、新しく学ぶ範囲はまずたくさん回転させ、だんだん覚えてきたら回転数を減らしていくのがいいと考えています。(P114)



まとめ

本書の柱は

常に読め!速く読むことを意識して速く読め!

というものと読みました。
速く読むことというより、対象に接する時間と回数を増やすということが根本にあるのだと思います。
そういう意味では極めて真っ当で正統派な勉強法と言えます。
決められた時間内で対象に多く接するにはどうしたらいいのか考えた結果が、対象を絞って速く読み、隙間時間も読むというものだと思います。
結局は正統派な勉強法が一番であると思い出させてくれます。勉強法の決定版と言ってもいいと思います。
携帯電話でメールを打っている場合ではありません。一分未満でも何ページかは回転できます。また、一度でも目次にパッと目を走らせることができれば、満員電車に詰め込まれていても、頭の中で勉強できます。目次に対応するページの内容が思い出せるかどうか、思い浮かべるテストを自分に課すのです。ほかにも、いくらでも応用は利くでしょう。
しかも、回転を重ねれば重ねるほど、一回転するのに必要な時間は短くなりますから、すきま時間の意味は大きくなります。(P116)

本書には、勉強することの利点や、何のために何を勉強するかの見つけ方をマンダラートを使って見つける方法や、テーマ別の高速大量回転法の実践例、問題集に書き込む実践例、目次記憶法なども著されており、参考になること多数です。

現在も多々勉強法の書籍は出ており、最近売れているところだと、7回読み勉強法であったり、マインドマップ作ってから読み込んだりというものですが、結局は本書と大きくは変わらない、むしろ一般人に参考にはしづらい勉強法になっています。
本書で著者は、常識を打ち破る勉強法としていますが、今読むと類書が溢れている状態ではあります。ただ、本書の発売は2007年。当時どのような勉強法書籍があったのかは知りませんが、今のトレンドの先駆けだったとしたらこの言葉も嘘じゃないかもしれません。

最近、記憶力落ちてきているなあ、ちょっと資格試験でもして試してみようかなと思っている人におススメです。


実践すること、覚えておきたいこと

高速大量回転法そのもの

選択試験に対して過去問のみで挑戦する(初めての分野はプラス入門書1冊)

目次法を試す

新書を高速大量回転させて教養知識を身につける
速読勉強術
速読勉強術宇都出 雅巳

すばる舎 2007-01-15
売り上げランキング : 57431

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
最短で結果が出る超勉強法 (講談社BIZ) 合格(ウカ)る技術 「1分スピード記憶」勉強法 なるほど!  合格勉強術 速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術


本書より

闇雲にいろいろな本を何冊も読んだところで、核になる知識がなければ、そんな知識はすぐに吹っ飛んでしまいます。まずは核を作るべく、入門書を高速回転させるべきです。自然と回転数・速度があがっていき、楽に回転させられるようになったら、はじめて別の本へと範囲を広げていくのです。(P97)

回転を重ねてきたら、今度は読む、というよりは自分にテストする感覚で本を開いてみてください。ページをめくる前に次のページの内容を思い出す、さらに、思い出して声に出してみるという、記憶を試すテストです。(P108)

高速大量回転は、何回繰り返せばいいというものではありませんが、目に見える形で効果を上げていくために、「最低一日一回転」が一つの目安になるでしょう。人によっては、また、取り組む分野や範囲によっては、一日五回転がいいかもしれませんし、三日に一回転で済むかもしれません。
いずれにせよ、夜になってもうきついなと思っても、「粗い回転」で結構ですから、何とか一回転は済ませてください。(P112)

本で勉強するということは目次を勉強すること、と言っても過言ではありません。(P158)
とくに何らかの試験合格を目標としている場合には、「目次を見れば、その内容が思い出せる、説明できる」ようになっておきましょう。具体的には、目次を軸に、テキストの内容・要点を記憶にとどめてしまうのです。(P164)