中学生時代に読書にハマり、高校に入ってからはもっと本が読めないかと、速読術にハマった。

その手の本を買い漁ったし、通信講座も受けた。
それによって速読できるようになった!ということはないが、それが活きてか読むのは相対的には速い方だと思う。

今は少しばかりはあるが、昔は本を読んでも覚えていないと意味がない、生活に活かさないと意味がないという考え方が全くなかったので、単純に多くの本に触れたいという思いだけだった。

今も多くの本に触れてみたい欲求は衰えていない。
もっと速く読んでみたい。できるなら覚えておければなおいい。

つーわけで『スピード読書術』を読んだ。
速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術
速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術宇都出 雅巳

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インターネット時代の今こそ読書の時代。本を最大限活用する読書術を教えよう・・・という本。



読書_1

著者は?

宇都出雅巳
1967年3月31日京都生まれ。
東京大学経済学部・ニューヨーク大学スターンスクール(MBA)卒業。
経済出版社、システムコンサルティング会社、営業コンサルティング会社、外資系銀行(マーケティング)を経て、2002年に独立。
信頼(トラスト)と尊敬(レスペクト)をベースにした組織・社会の実現を目指すトレスペクト経営教育研究所代表。
NLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナー・CPCC(公認コーアクティブ・コーチ)。
学生時代に速読に目覚め、これまでに学んだ速読法は10種類以上に及ぶ。その豊富な速読の実践経験と、心理学、コーチング、聴き方を融合したユニークな読書法、勉強法を提唱。持論は「読書はコミュニケーション」。
(本書著者略歴)

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6冊目の著作。
『売り込まなくても売れる!実践編』 『絶妙な「聞き方」の技術』『あたりまえだけどなかなかできない会議のルール』 『場面で分かるセールストーク』 とコミュニケーション特に聴くことを中心にした著作の流れではなく、
『速読勉強術』 に続く、勉強術読書術の流れにある著作です。
本書の著者略歴で初めて出てきた言葉「持論は読書はコミュニケーション」とある通り、コミュニケーションと読書術をウリにしている作家です。


本を読む力を高める最良の訓練法は「本を読むこと」

20年間速読法を磨き続けた著者の結論は、とにかく読書すべし、ということにまとめられると思います。
『速読勉強術』 にあった話ですが、わからなくても立ち止まらず、速く読んだ方が理解できる、繰り返して何度も読むことが、本を読む力を高めるということです。
さて、読む力を高める最良の訓練法は何だと思いますか?
それは「本を読むこと」です。
本を読めば読むほど、読む力はついてきます。速く読めるようになり、理解も深まるようになります。なぜなら、本を読むことは、実は自分を読んでいることであり、本を読むことで自分を成長させられるからです。(P32)
速読勉強術になかった読書法としては、いろいろな本を同時並行で読むこと、最初から最後まできちんと読まなくてもいい、1冊の本を1カ月間毎日読むなど、総じて読書の常識にとらわれず、本をツール化する習慣を身につけることが説かれています。
小説・物語はさておき、ビジネス書をはじめ多くの本は、それを現実に活かしていくために、何度も繰り返して読まないと役に立ちません。(P25)


読書術

情報感度が10倍高まるスピード読書術、読みたい本が見つかる選書術、対話力を高めるコミュニケーション読書術、論理的思考力が身につくロジカル読書術、発想が豊かに広がるアイデア読書術という章題と共に2章目以降は著者の読書術が紹介されています。
個人的には、同じ本をわからなくても速く何度も読みすすめること、目次、まえがきあとがき読書法など速読勉強術で衝撃を受けた部分、相手に(本書の場合は著者)に意識の矢印を向けるなど聞く技術で衝撃を受けた部分に再度納得させられましたが、他にもいろいろ読書術が紹介されています。
特異な読書術は紹介されていないように思いますが、それが逆に著者の正統派性を際立たせているように思います。選書術として好きな著者を追いかける、というのがありました。まさに今私は本書著者を遅ればせながら追いかけています(笑)


まとめ

本書の柱は、

とにかく本に触れよう!いっぱい読もう!

というものと読みました。いろいろな読書術が取り上げられていますが、根本はすべてこれに収束します。これは著者のこれまでの著作でも一貫しています。本書は速読法を薦める!というものではないのですが、速読法の基本としてのページも割かれています。ただ、やはり著者が最も薦めているのは、本に長い時間触れるということです。
大事なのは、本とともに生きること。自分の思い込み、行動を変えるまでは、毎日その本に触れることです。(P43)
著者の作品としては本書より『絶妙な「聞き方」の技術』『速読勉強術』 が毎日触れるにふさわしいと思います。僕も今日から何度もこの2冊、特に聞き方の技術は読むことにします。
本書帯に『20年間速読法を磨き続け、年間500冊以上の本を読破する「速読勉強術の達人」が教える!本のアウトプットを飛躍的に高める88の技術』とありますが、『読んだ文字量やページ数で本の価値を考えるのではなく、本の中で出会った言葉や生まれてきた気づきが、仕事や毎日の生活でどれぐらいの価値を生み出すかに目を向けましょう。(P27)』としている著者には許せない帯なのでは?

読書術本をあまり読んだことがない人におススメです。


実践すること、覚えておきたいこと

1ヵ月毎日同じ本を読む

資格試験勉強で自己講義法を試す
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本書より

実は、速読法よりも、日常生活の中で本を読む時間を増やすことが、本をたくさん読むことにつながります。(P37)
多くの人が「本を読む時間がない」「忙しい」と言います。そして、少ない時間で、速くたくさん読む方法を身につけようと、速読法を学びたがります。かくいう私も同じでした。しかし、速読法を学んだところで、本を読む時間をとらなければ本を読む量は増えていきません。そして、実際には本を読まなければ本を読む力はついてこないのです。(P37)

読んだ文字量やページ数で本の価値を考えるのではなく、本の中で出会った言葉や生まれてきた気づきが、仕事や毎日の生活でどれぐらいの価値を生み出すかに目を向けましょう。たとえ、数ページしか読んでいないにしても、そこから得た学びを仕事や生活に活かしていけば、大きな意味があります。(P27)

試験勉強などでテキストを丸暗記する際には、このように目次を常に参照してテキストを読んでいく方法が大変有効です。さらに、目次を使ってあたかも講義するように話せば、自分自身の理解を確認でき、わからない点が明確になって学習意欲が強まります。
「目次だけ見て語る」ことを少し実践してみるだけで、一気に読書の効率が上がります。また、読んでいるときも目次を常に参照、思い浮かべることで混乱することなく落ち着いて読むことができるようになります。(P65)

簡単にできてすぐに速く読めるコツを紹介しましょう。それは、本を読みながら、「へえぇ」「なるほど」といった相づちを打ちながら本を読むことです。(P70)

本は速く読もうと遅く読もうと、また1回読もうと何百回読もうと、完璧に理解することはありえません。にもかかわらず、多くの人が「この本は○○だ」と「わかったつもり」になってしまいます。(P173)

試験勉強において、自分の理解を整理し、記憶を確実にする効果的な方法のひとつに「自己講義法」と呼ばれる方法があります。これは、自分がまるでその科目の先生になって講義するかのように覚えていることを口に出して話してみるものです。実際にだれかに聞いてもらうと一番いいのですが、だれもいなかったとしても、まるで人に語りかけるように話してみるのです。
なぜこの「自己講義法」が効果的かというと、話すことで自分の理解のあやふやなところが浮き彫りになるからです。(P188)