スポーツで野球が絶対的な存在ではなくなり、テレビも安定の共通話題ではなくなった今、
天気、出身地、そして血液型の話題の比重は高まるばかりだ。

その中でも、血液型性格診断は初期の盛り上がりテーマトークの中心といってもいいように思う。

僕自身はこういう話はすっとばして、趣味や生い立ちの話をしたいのだけれど、
複数人でのはじめましての場では、そうはいかない。
極端な話、血液型トーク、それをいかにうまく膨らますか、というのが話がうまい人とそうでない人の差ではないかとさえ思う。

血液型性格診断を信じているかどうかはともかく、仕事絡みの話が終わって、血液型の話が出てこなかったことは1度もないように思う。
僕は血液型性格診断を信じているわけはないし、その手の話題を出す人を若干小馬鹿にしていたりもしたのだが、
血液型性格診断の話を出す人は「社会的外向性」が高いらしい。

つーわけで『ニセ心理学にだまされるな!』を読んだ。
ニセ心理学にだまされるな! (Doyukan Brush Up Series)
ニセ心理学にだまされるな! (Doyukan Brush Up Series)古澤 照幸

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心理学に関する非科学的な情報を真剣に利用すると危険度は計りしれないのです・・・という本。



心理学_1

本書では、血液型性格診断、コールド・リーディング、筆跡診断、心理テストを科学的根拠のないものをニセ心理学としています。
心理学を装った非科学的なニセ心理学を真剣に使わないように、また騙されないように気をつけようということが書かれています。

血液型性格診断

血液型性格診断には根拠がないという説を聞いたことがある人も多いと思います。
本書でも
1、2人の血液型が完全に一致する確率が934億分の1であること
2、血液型が変わること
3、昭和初期の結果が信用できない古川竹二の血液型気質説が、現在の血液型性格診断の元になっていること
4、血液型ステレオタイプのこと
5、すべての人に当てはまる性格特徴フリーサイズ効果のこと
6、血液型検定のこと
などが挙げられています。

信じるかどうかはともかく、気になったのは血液型ステレオタイプについてです。
血液型ステレオタイプとは、それぞれの血液型に特有の性格特徴があるという思い込みのことです。
血液型ステレオタイプを持つ人は持たない人と比べて、「社会的外向性」が高いことがいくつかの研究から分かっています。社会的外向性とは「人との交際を好む」などの社会的接触を好む傾向を特徴とするものです。また、人と仲良くしようとする欲求である「親和欲求」も高いのです。血液型ごとに性格は違うという思い込みである血液型ステレオタイプは、人と交際をしようとしたり、仲良くしようという欲求と関連があるということになります。(P17)
個人的にはこれがすごく面白かったです。血液型ステレオタイプの高い人たちは、人づき合いのために血液型性格判断を利用しているという話です。

本書では、血液型ステレオタイプの高い人にだけ注目していて、他人との関係を持ちたいという欲求が血液型性格診断を信じさせてしまうとしています。
しかし、血液型性格診断を話す人の中には、全く信用していないけれど、他人との距離を詰めるためにうまく使っているという人も多分にいそうな気もします。

私も自己判断では、社会的外向性が高い人間だと思っていましたが、
血液型ステレオタイプトークが出たときに、「うわっ」と思ってしまうあたり、どう考えても社会的外向性が高い人間ではなさそうです。
会話に適度に血液型トークを混ぜられる、コミュニケーション上手になりたいと思いました(笑)


ニセ心理学を読み解くキーワード

1、バーナム効果
2、因果関係の誤り
3、認知バイアス
バーナム効果は人の心を読むというより、読んでいるようにみせる手法とも言えます。非科学的なニセ心理テストの結果や占い師の言葉の中にバーナム文が潜んでいないかどうか確認してみるとよいでしょう。(P103)
外集団に対しては極端な判断をすると述べました。外集団で能力の高い人に対しては、内集団の能力の高い人よりも高い評価をする傾向にあります。逆に外集団の能力の低い人に対しては、内集団の能力の低い人よりも低い評価をします。(P130)
コールド・リーディングの節においてコールド・リーダーはクライアントのことを誉めるとよいと述べましたが、自己奉仕バイアスがることによって、誉めると「当たる」という感覚が増大することになります。(P136)
誰にでも当てはまることではないか、有名人が言っているだけではないか、因果関係を確認する、ここらへんに注意するだけでも、ニセ心理学に騙されることはないでしょう。


まとめ

本書の柱は、

悪い奴に騙されないようにしよう!

というものです。
著者は決してニセ心理学が悪いものだと断定しているわけではありません。例えばコールド・リーディングや占いには気づきの効果や、癒しの効果はあるとしています。ただ、コールド・リーダーが善意の人であればいいが、悪意のある人であった場合大変だというモノです。悪意のある人に騙されないように、注意しましよう。
血液型性格診断、コールド・リーディング、筆跡診断、心理テストが本書で取り上げられていますが、それ以外に
NLP(神経言語プログラミング)のアイ・アクセシング・キューも根拠がないとしています。
アイ・アクセシング・キューは最近発売されている本にも多く書かれているもので、完全に信用してしまっていましたが、正しいか否かはともかく、こういうよく見るものも注意していかないとなと思いました。


実践すること、覚えておきたいこと

血液型ステレオタイプトークを使いこなす

バーナム文、因果関係を意識する

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「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! 唐詩 (講談社学術文庫)


本書より

心理学関係の諸学会が会員となっている連合体である「日本心理学諸学会連合」は、平成18年2月現在では40学会が加盟しています。ここからも、心理学がいかに幅広い学問であるかということが分かると思います。(P151)

コールド・リーディング
ストック・スピール これは多くの人たちにあてはまる性格、行動、さまざまな状況についての記述や文章を覚えておくことをいいます。
そのためには、各種統計の知識や世論調査の結果については意識して覚えておく必要があります。引き出しをたくさん持っておくことがコールド・リーディングに役に立つのです。(P35)