将棋が好きだ。

限りあるマスの中で、何百年も指されていて同じ局面が現れない魅力ったらないわけだ。
負けた方が必ず差す手を変えるから、プロでは同一局面が現れないんだよ、と説明されてもすごく不思議だ。
簡単に必勝法ができそうなものなのに、まだ出来上がっていない。
定跡もころころ変わる。
僕が中学生の頃悪いとされていた手が、今ではそれしかないとされていたりする。おもしろい。

また、自ら負けを認めるゲームである、というのも魅力にあげる人が多い。
多くのプロがあるスポーツ&ゲームで自ら負けを宣言するというゲームはたしかに少ない。
もう動かせる駒がない、いわゆる詰みになるまで指すことはなく、自分が負けだなと思ったところで投了をする。
強くなればなるほど先が読めるようになるので、投了は早くなる。また、相手の力に対する信頼でもそれは変わる。強い相手であれば、間違えることはないだろうと、相手が間違えないと自分に勝ちがない場合も投了が早くなる。
「負けました」「参りました」というのは本当に悔しいし、麻雀のように、運の要素が少ないゲームなので、自分より強い人と連続でやってもやっただけ負ける。

今配布されている紀伊国屋書店の『scripta』の中年の本棚という連載で、羽生善治さんの、十代のときどんなに苦しい将棋でも粘ってなかなか投了しなかったが、あるときから駄目なものは駄目だから素直に次に向かっていった方がいいと考えるようになった。
『投了にはさまざまな解釈があって、早く投了することによってツキを充電していると思えるケースもあります』という話が紹介されていた。

そこで将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ | ニコニコ動画

電王戦というのはプロ将棋棋士とコンピュータ将棋ソフトが団体戦で対戦するもので、ここ数年プロ棋士が負け越している。
昨年、森下卓九段がこの大会で負け、「でも、こういうルールだったら勝てるもんね!」というようなことを言った。
んで、こういうルールでやったのが、昨年大みそかのリベンジマッチ。
ここでの森下九段がすこぶるすごかった。
序盤はいい勝負、そしてじりじりと森下九段優勢の局面に。
でも、コンピュータは投了しない。
次第に森下九段の完勝局面に。
でも、コンピュータは投了しない。
そして森下九段は20時間指し続けた。

運営判断で日を改めてやるという決断になったのだが、まあ将棋の初心者が見ても逆転はないくらいの状況だった。
大晦日深夜、自分は何をしているんだろうと思いながらも思ったわけです。
やっぱりまだまだ人の方が上だな、と。


つーわけで『駒doc.』を読んだ。




将棋

将棋をテーマにしたフリーペーパーです。

将棋で一番難しいのは最初にルールを覚えるということです。
とにかく、その最初の「将棋を覚えてみようかな」と思うハードルが高いのです。
それさえ越えてしまえば、きっと将棋の魅力は伝わるはず。

将棋は面白いんだから、なるべく最初のハードルを低くできないか、もっと身近に感じてもらおう、という意思をすごく感じる冊子です。
そういう意味では将棋好きな人を対象にしているわけではなく、将棋に興味がない人を対象にしているともいえます。

現在vol.20。
失礼ながらvol.1をたまたま手に取った時にここまで続くとは思いませんでした。将棋好きでそこそこやっている僕がそう思ったということはこの冊子の狙いは大成功だったのかもしれません。

将棋に興味がない人におススメです。
なんやかんやで僕も毎号手に取ってしまうので、将棋好きにもいいですけどね。


最近将棋の普及に女流を使おうという臭いを感じます。
女流棋士を通して将棋に興味を持ってもらうというのは、あながち間違っていないとは思うですが、こういう将棋の魅力を信じた正統派の普及活動っていうのはいいなと思います。

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