ビットコインに興味を持って、5冊くらい読んでみた。
個人的な結論としては、完全にゼロになってもいい資金以外では投資しない方がいいかなと。
なんだろう、仮想通貨が世に普及する形が全く見えないんだよね。
まず、仮想通貨が普及するかどうかはビットコインに絞って考えればいいと思う。
仮想通貨市場でビットコインがダントツであることからビットコイン以外がこの先残ることはまずなさそう。リップルやイーサリアムといったビットコインと違う要素があったとしても、一般に認められることが重要な中では仮想通貨とくくられるとやはり将来的に残るのはビットコインだけかなと。
んで、そのビットコイン。
国民の10%使うようになってから価値が急速に高まるということだけれど、10%が使うようになるには実店舗での使えるようになることが必須。
そう考えた時に店舗側、購入者側のメリットがあんまり見えないんだよね。
店舗側のメリットとしては、世界中の人が使えるので旅行客が使ってくれること、クレジットカードでの支払いより手数料が少なくて済むっていうのがあるんだろうけれど、でも会計上得するかどうかが見えなさすぎる。ビットコイン決済を導入している店舗はどうしているんだろうかがわからんのよね。
現状最終的には円にかえるわけだから、物を売った時とビットコインを円に変えた時の差額をどう処理するんかがわからん。こんなに乱高下してたら差損益けっこうなことにならんかな。そこが解消されれば一気に普及するとは思うけれど、これ解消できるのかなと。
普及して実店舗で使えるようになったとしても、その段階でもよほどのことがない限り円は残っているとすると、日本人の消費者があえてビットコインでの支払いを国内でする意味があんまりないので、結局は旅行者対象になる気がするんだよなあ。クレジットカードやデビットカードでの支払いよりも得になる状態なんてはたしてあるのだろうかと。
まあ詳しい人に言わせればいろいろあるんだろうけれど、ちょっとそこまでの普及は見えづらいかな。
投資対象としてもちょっとわからんことが多すぎるように思う。
『ビットコインは「金貨」になる』という本は、『多くの日本人は、「ビットコインなど、投機商品で胡散臭い」「扱っている会社は、いつ倒産するかもわからない」と思い込んでいる。私はこの思い込みを、徹底的に打ち壊すためにこの本を書いた。』
という刺激的な言葉で始まり、金に対して価値が下がり続けている円が信用できないということが書かれていて、発行上限が決められているビットコインは金と同じであるとしているけれど、なら金でいいじゃんと思ってしまうんだよね。
『クリプト・カレンシーは、ビットコインも含めて、すべてはコンピューター上で流通する、デジタル通貨である。だからハッカーに襲われると、すべてを失ってしまう危険がある。だから危険を感じる人もいるのだろうが、結局は紙幣でも同じである。火事に遭ったり、落としたり、水に濡れたり、トイレに流してしまったり、財布をどこかに忘れたり、財布をすられたりしても同じことが起こるだろう。(P92)』
これにもどことなく納得できない。それは自分が新しいことを受け入れる柔軟な思考ができないからなんだろうけれど、どうもピンとこないんだよなあ。
ひとまず俺としては、一旦、数万だけ買っておいてひとまずもう少し様子を見るという結論に。
そもそも、ビットコインすげーぞ本が多すぎるように思った。フラットに語られている本を探してみた。
つーわけで『新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本』を読んだ。
ビットコインのことをフラットに語ってみましょう…という本。
2014年出版の書籍であるので、少し前ではあるのだが、それまでのビットコインの歴史を含めあまり深追いせず、でも必要なことはしっかりと著されている一冊。
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個人的な結論としては、完全にゼロになってもいい資金以外では投資しない方がいいかなと。
なんだろう、仮想通貨が世に普及する形が全く見えないんだよね。
まず、仮想通貨が普及するかどうかはビットコインに絞って考えればいいと思う。
仮想通貨市場でビットコインがダントツであることからビットコイン以外がこの先残ることはまずなさそう。リップルやイーサリアムといったビットコインと違う要素があったとしても、一般に認められることが重要な中では仮想通貨とくくられるとやはり将来的に残るのはビットコインだけかなと。
んで、そのビットコイン。
国民の10%使うようになってから価値が急速に高まるということだけれど、10%が使うようになるには実店舗での使えるようになることが必須。
そう考えた時に店舗側、購入者側のメリットがあんまり見えないんだよね。
店舗側のメリットとしては、世界中の人が使えるので旅行客が使ってくれること、クレジットカードでの支払いより手数料が少なくて済むっていうのがあるんだろうけれど、でも会計上得するかどうかが見えなさすぎる。ビットコイン決済を導入している店舗はどうしているんだろうかがわからんのよね。
現状最終的には円にかえるわけだから、物を売った時とビットコインを円に変えた時の差額をどう処理するんかがわからん。こんなに乱高下してたら差損益けっこうなことにならんかな。そこが解消されれば一気に普及するとは思うけれど、これ解消できるのかなと。
普及して実店舗で使えるようになったとしても、その段階でもよほどのことがない限り円は残っているとすると、日本人の消費者があえてビットコインでの支払いを国内でする意味があんまりないので、結局は旅行者対象になる気がするんだよなあ。クレジットカードやデビットカードでの支払いよりも得になる状態なんてはたしてあるのだろうかと。
まあ詳しい人に言わせればいろいろあるんだろうけれど、ちょっとそこまでの普及は見えづらいかな。
投資対象としてもちょっとわからんことが多すぎるように思う。
『ビットコインは「金貨」になる』という本は、『多くの日本人は、「ビットコインなど、投機商品で胡散臭い」「扱っている会社は、いつ倒産するかもわからない」と思い込んでいる。私はこの思い込みを、徹底的に打ち壊すためにこの本を書いた。』
という刺激的な言葉で始まり、金に対して価値が下がり続けている円が信用できないということが書かれていて、発行上限が決められているビットコインは金と同じであるとしているけれど、なら金でいいじゃんと思ってしまうんだよね。
『クリプト・カレンシーは、ビットコインも含めて、すべてはコンピューター上で流通する、デジタル通貨である。だからハッカーに襲われると、すべてを失ってしまう危険がある。だから危険を感じる人もいるのだろうが、結局は紙幣でも同じである。火事に遭ったり、落としたり、水に濡れたり、トイレに流してしまったり、財布をどこかに忘れたり、財布をすられたりしても同じことが起こるだろう。(P92)』
これにもどことなく納得できない。それは自分が新しいことを受け入れる柔軟な思考ができないからなんだろうけれど、どうもピンとこないんだよなあ。
ひとまず俺としては、一旦、数万だけ買っておいてひとまずもう少し様子を見るという結論に。
そもそも、ビットコインすげーぞ本が多すぎるように思った。フラットに語られている本を探してみた。
つーわけで『新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本』を読んだ。
新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本 財団法人 仮想通貨総研 塙亮太 西泰弘 佐野稔 木下裕司 秀和システム 2014-11-28 売り上げランキング : 167197 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ビットコインのことをフラットに語ってみましょう…という本。
2014年出版の書籍であるので、少し前ではあるのだが、それまでのビットコインの歴史を含めあまり深追いせず、でも必要なことはしっかりと著されている一冊。
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ビットコインひいては仮想通貨を知りたいと思って、数冊読みましたが、基本的にはビットコインの利点を挙げて、「ビットコインはいいとこだらけだ」という立場での書籍がほとんどでした。
本書は比較的フラットな立場で著されている一冊で、またビットコインのこれまでもきちんと書かれている非常にためになる本に仕上がっているように思います。
構成としては
わからないからって遠ざけている場合じゃないよ、しっかり知っていこう
↓
そもそも通貨ってなに?
↓
ビットコインとはなに?これまでどうだった?
↓
仮想通貨の問題点は?
↓
仮想資産とは?
↓
仮想通貨先駆者たちのインタビュー
となっています。
もちろん若干ビットコインいいよスタンスではあるのですが、きちんと知らないと危ないという点が強調されており、本書を読んだのち仮想通貨に自身の金を投じるかを決めるのがよさそうです。
ネガティブなイメージが先行していて、詐欺があったりと危ない側面もあるものの、仮想通貨すべてを否定するのはもったいない。
・国家を超えた金銭のやりとりが無料もしくは低コストで、一瞬でできる
・国家の経済破たんリスク時の資産価値下落を回避できる
・現金を持たなくても世界中で経済活動をおこなえる
ということが、既存の通貨の概念を超えた大きな可能性があるとして本書に挙げられています。
中国の百度や、GMO、楽天などがビットコイン決済を可能にする方針を打ち出しているように利用範囲が広がっているのだから、「よくわからない」と遠ざけていれば済むほど小さな存在ではなくなりつつあるとのこと。
そもそもお金とは何かから始まり、現在の日本円の裏付けは米国債であること、日本円の価値は安定しないこと、そして日本の財政が破たん寸前であることが示され、現実通貨は海外との取引につかいにくいことから限界を迎えていることが著されています。
海外との取引には
・手数料がかかる
・時間がかかる
・為替変動がある
のが問題とのこと。
既存の通貨の問題点である、国家が信用できない、海外送金に問題がある、為替変動があるを解消するために生まれたのがビットコインであるということ。
類書にも必ず書かれているビットコインの誕生のほかに、本書ではビットコインのこれまでの価値の変遷もあるのが価値あるところです。
なかなか興味深かったので紹介しておきます。
ビットコインが最初に通貨同様の価値を手に入れたのは、暗号通貨について話し合うメーリングリストに1人エンジニアが「誰かビットコインを1万枚あげるから、ピザを2枚くれないか?」と投稿したことに始まる。1ビットコインあたり0.4円ほど。
↓
参加者が増えることで採掘の難易度があがり、ビットコインの採掘をした人は現金化したい。
ビットコインを保有することが先駆者としての自分の勲章のように思う人、投資家などが入手することで需要供給思惑一致。
↓
2010年マジックザギャザリングのカード売買を行っていたマウントゴックスがビットコイン取引所としての事業開始。
↓
2011年2月1ビットコインようやく1ドル。
↓
2011年6月シルクロードという闇サイトでビットコインでの決済ができるという報道で、高騰1ビットコイン30ドルに。クレジットカードや銀行を通しての現金取引と違いビットコインには匿名性がったため、違法な商品やり取りに便利だった。
↓
その後すぐ当時最大のビットコインがハッキングを受けて顧客の預けていたビットコインを盗まれてしまい、それから1年1ビットコイン10ドル以下。
↓
2013年2月、ビットコイン決済ができるオンラインカジノが生まれ、30ドル超え。
↓
2013年3月、キプロス共和国での金融危機で国民の銀行預金が差し押さえられ国民が一気に自分たちの預金をビットコインに変換。流通総額1000億円超え。
↓
中国最大の検索エンジンサービス百度のビットコイン導入決済導入、FRBバーナンキ議長が仮想通貨の長期的な有望性発表により1ビットコイン1200ドル超え。
↓
中国政府がビットコインによる金融商品の購入や、決済サービスの提供を禁止する通達。700ドル。
2014年に出版された書物なのでここで終わっていますが、最初からのビットコインの価値の変遷が非常にわかるものになっています。
個人的にはまだまだ安定性には欠けるなあという印象です。予期できぬことで乱高下していて、何が起こるかわからないという面白みはあるものの、ちょっとギャンブル性高いかなというところです。
本書は、ビットコインに対しての企業参入が多くなれば多くなるほど利便性が高まり、価値を高め続けることができる、としていますが、これは逆に参入企業が出なければ価値を維持できないともとれるように思いますが…。
本書の最大の特徴はきちっとこの問題点に言及しているところです。
順に見ていきます。
・今の日本には仮想通貨が成り立つ土壌ができていない
すべての経済活動がインターネット上で完結できない、すべてのものサービスと交換できないことから、仮想として、通貨としても土壌ができていないということです。
・現実店舗で使える場所は世界で1万箇所もない
本書は2014年出版のもので、現在は激増しているのでしょうが、Bitcoin日本語情報サイトによると、今現在も日本では200件弱くらいとなっているようです。本書では全国で50店舗となっているので3年弱で150店舗くらいの増加を多いとみるか少ないとみるかといったところでしょうか。
携帯電話が人口の10%が利用するようになってはじめて急速に価値を増したのと同様に、仮想通貨も人口の10%が使うくらいになってから価値を高めていくのではないかとしています。
・盗まれたときに補償されない
仮想通貨については常にハッキングによって盗まれるリスクが存在するのに、盗まれたら何も打つ手がないということは理解しておく必要があるということです。
マウントゴックス破綻の際も仮想通貨の匿名性から300億円分のビットコインを盗んだ犯人は見つかっていません。
また、2013年に7つあったビットコインの大型取引所のうち3社はハッキングによって預金者のビットコインが大量に盗難にあい倒産しているというのも気になるところです。
・いつ使えなくなるかわからない
仮想通貨の取引を禁止する国家が増えていること、銀行にとって厄介な存在であること、司法にとっても取り締まりにくい厄介な存在であることから、結局どうなるかわからないということです。
・詐欺の話が横行している
本書の柱は
ビットコイン、仮想通貨のことをまず知ろう!!
というものと読みました。
仮想通貨より仮想資産に誘導する意図はみえるものの、仮想通貨のことがきちんと著されている良書と思いました。
詐欺に対しての話の中でビットコインの相場操縦を仕掛けるための仮想通貨が多いということが書かれていて、このことからも今後残る仮想通貨はビットコイン一択かなという感じを受けました。そのビットコイン自体も残るかも微妙となるとちょっと手は出しづらいかも…。
ただ、本書は2014年に著されているため、現在は将来的なビットコインの価値がどうなるかの見通しも変わっているとは思います。参加企業も変わっていますし。本書を読んでから、興味が出ればビットコイン投資推奨の本を読んで、という順がよさそうに思います。
まあとにかく、本書を読めばビットコインについて知ったかぶりはできるレベルの一冊にはなっています。
ビットコイン投資はしない予定だけれど、知ったかぶりはしたい!という人に強くおススメします。
残念ながら、仮想通貨はまだ「無法地帯」です。(P159)
「仮想通貨や仮想資産には絶対手を出さない」というのも素晴らしい選択です。
「仮想通貨や仮想資産を買ってみよう」というのも素晴らしいですし、「仮想通貨や仮想資産を自分で作ってみよう」ということも良いと思います。
繰り返しますが、ビットコインが私たちに示した「市民が主体となって通貨を作れる」という事実は今世紀最大の革命といえるほどのものです。
そんな革命に対して、どのような判断を下すのも自由です。大事なことは自分で決めることなのです。(P195)
本書は比較的フラットな立場で著されている一冊で、またビットコインのこれまでもきちんと書かれている非常にためになる本に仕上がっているように思います。
構成としては
わからないからって遠ざけている場合じゃないよ、しっかり知っていこう
↓
そもそも通貨ってなに?
↓
ビットコインとはなに?これまでどうだった?
↓
仮想通貨の問題点は?
↓
仮想資産とは?
↓
仮想通貨先駆者たちのインタビュー
となっています。
もちろん若干ビットコインいいよスタンスではあるのですが、きちんと知らないと危ないという点が強調されており、本書を読んだのち仮想通貨に自身の金を投じるかを決めるのがよさそうです。
仮想通貨は生活を便利にする
ネガティブなイメージが先行していて、詐欺があったりと危ない側面もあるものの、仮想通貨すべてを否定するのはもったいない。
・国家を超えた金銭のやりとりが無料もしくは低コストで、一瞬でできる
・国家の経済破たんリスク時の資産価値下落を回避できる
・現金を持たなくても世界中で経済活動をおこなえる
ということが、既存の通貨の概念を超えた大きな可能性があるとして本書に挙げられています。
中国の百度や、GMO、楽天などがビットコイン決済を可能にする方針を打ち出しているように利用範囲が広がっているのだから、「よくわからない」と遠ざけていれば済むほど小さな存在ではなくなりつつあるとのこと。
既存の通貨はすでに限界を迎え始めている!
そもそもお金とは何かから始まり、現在の日本円の裏付けは米国債であること、日本円の価値は安定しないこと、そして日本の財政が破たん寸前であることが示され、現実通貨は海外との取引につかいにくいことから限界を迎えていることが著されています。
海外との取引には
・手数料がかかる
・時間がかかる
・為替変動がある
のが問題とのこと。
そこで仮想通貨!
既存の通貨の問題点である、国家が信用できない、海外送金に問題がある、為替変動があるを解消するために生まれたのがビットコインであるということ。
類書にも必ず書かれているビットコインの誕生のほかに、本書ではビットコインのこれまでの価値の変遷もあるのが価値あるところです。
なかなか興味深かったので紹介しておきます。
ビットコインが最初に通貨同様の価値を手に入れたのは、暗号通貨について話し合うメーリングリストに1人エンジニアが「誰かビットコインを1万枚あげるから、ピザを2枚くれないか?」と投稿したことに始まる。1ビットコインあたり0.4円ほど。
↓
参加者が増えることで採掘の難易度があがり、ビットコインの採掘をした人は現金化したい。
ビットコインを保有することが先駆者としての自分の勲章のように思う人、投資家などが入手することで需要供給思惑一致。
↓
2010年マジックザギャザリングのカード売買を行っていたマウントゴックスがビットコイン取引所としての事業開始。
↓
2011年2月1ビットコインようやく1ドル。
↓
2011年6月シルクロードという闇サイトでビットコインでの決済ができるという報道で、高騰1ビットコイン30ドルに。クレジットカードや銀行を通しての現金取引と違いビットコインには匿名性がったため、違法な商品やり取りに便利だった。
↓
その後すぐ当時最大のビットコインがハッキングを受けて顧客の預けていたビットコインを盗まれてしまい、それから1年1ビットコイン10ドル以下。
↓
2013年2月、ビットコイン決済ができるオンラインカジノが生まれ、30ドル超え。
↓
2013年3月、キプロス共和国での金融危機で国民の銀行預金が差し押さえられ国民が一気に自分たちの預金をビットコインに変換。流通総額1000億円超え。
↓
中国最大の検索エンジンサービス百度のビットコイン導入決済導入、FRBバーナンキ議長が仮想通貨の長期的な有望性発表により1ビットコイン1200ドル超え。
↓
中国政府がビットコインによる金融商品の購入や、決済サービスの提供を禁止する通達。700ドル。
2014年に出版された書物なのでここで終わっていますが、最初からのビットコインの価値の変遷が非常にわかるものになっています。
個人的にはまだまだ安定性には欠けるなあという印象です。予期できぬことで乱高下していて、何が起こるかわからないという面白みはあるものの、ちょっとギャンブル性高いかなというところです。
本書は、ビットコインに対しての企業参入が多くなれば多くなるほど利便性が高まり、価値を高め続けることができる、としていますが、これは逆に参入企業が出なければ価値を維持できないともとれるように思いますが…。
仮想通貨の問題点
本書の最大の特徴はきちっとこの問題点に言及しているところです。
順に見ていきます。
・今の日本には仮想通貨が成り立つ土壌ができていない
すべての経済活動がインターネット上で完結できない、すべてのものサービスと交換できないことから、仮想として、通貨としても土壌ができていないということです。
・現実店舗で使える場所は世界で1万箇所もない
本書は2014年出版のもので、現在は激増しているのでしょうが、Bitcoin日本語情報サイトによると、今現在も日本では200件弱くらいとなっているようです。本書では全国で50店舗となっているので3年弱で150店舗くらいの増加を多いとみるか少ないとみるかといったところでしょうか。
携帯電話が人口の10%が利用するようになってはじめて急速に価値を増したのと同様に、仮想通貨も人口の10%が使うくらいになってから価値を高めていくのではないかとしています。
・盗まれたときに補償されない
仮想通貨については常にハッキングによって盗まれるリスクが存在するのに、盗まれたら何も打つ手がないということは理解しておく必要があるということです。
マウントゴックス破綻の際も仮想通貨の匿名性から300億円分のビットコインを盗んだ犯人は見つかっていません。
また、2013年に7つあったビットコインの大型取引所のうち3社はハッキングによって預金者のビットコインが大量に盗難にあい倒産しているというのも気になるところです。
・いつ使えなくなるかわからない
仮想通貨の取引を禁止する国家が増えていること、銀行にとって厄介な存在であること、司法にとっても取り締まりにくい厄介な存在であることから、結局どうなるかわからないということです。
・詐欺の話が横行している
まとめ
本書の柱は
ビットコイン、仮想通貨のことをまず知ろう!!
というものと読みました。
仮想通貨より仮想資産に誘導する意図はみえるものの、仮想通貨のことがきちんと著されている良書と思いました。
詐欺に対しての話の中でビットコインの相場操縦を仕掛けるための仮想通貨が多いということが書かれていて、このことからも今後残る仮想通貨はビットコイン一択かなという感じを受けました。そのビットコイン自体も残るかも微妙となるとちょっと手は出しづらいかも…。
ただ、本書は2014年に著されているため、現在は将来的なビットコインの価値がどうなるかの見通しも変わっているとは思います。参加企業も変わっていますし。本書を読んでから、興味が出ればビットコイン投資推奨の本を読んで、という順がよさそうに思います。
まあとにかく、本書を読めばビットコインについて知ったかぶりはできるレベルの一冊にはなっています。
ビットコイン投資はしない予定だけれど、知ったかぶりはしたい!という人に強くおススメします。
新聞が報じない仮想通貨のホントの正体がわかる本 | |
財団法人 仮想通貨総研 塙亮太 西泰弘 佐野稔 木下裕司 秀和システム 2014-11-28 売り上げランキング : 167197 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
本書より
残念ながら、仮想通貨はまだ「無法地帯」です。(P159)
「仮想通貨や仮想資産には絶対手を出さない」というのも素晴らしい選択です。
「仮想通貨や仮想資産を買ってみよう」というのも素晴らしいですし、「仮想通貨や仮想資産を自分で作ってみよう」ということも良いと思います。
繰り返しますが、ビットコインが私たちに示した「市民が主体となって通貨を作れる」という事実は今世紀最大の革命といえるほどのものです。
そんな革命に対して、どのような判断を下すのも自由です。大事なことは自分で決めることなのです。(P195)